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【海と富士の茶の間】
あるデーターによると『静岡県』と聴いて思い浮かぶ有名なものは
まずはお茶(茶畑)、次いで富士山 なのだそうだ
実際に静岡の茶葉全国シェアは約36%にも上り、特に県東部のお茶の産地である富士市では手入れされた茶畑と富士山のコラボが美しいと話題になり、メディアなどでもその映像を度々目にすることがある
しかし実際のところ
『ちょっとひと息つこうか?』って時にカフェに入って、緑茶を飲まれる方は少ないだろうし
(そもそも置いてあるところも珍しいだろうが)
お水が美味しく茶処でもある静岡といえどもその辺の事情は余り変わらないと思う
そんな静岡でちょっと変わったお茶に関する試みが2019年から始まり、日本国内に留まらず『お茶と茶畑の素晴らしさを体感したい』と海外からも人々が訪れ話題となっている企画がある
茶畑の中に設えられた天然素材のテラスで、その土地その土地の景色・風土を堪能しながら新たなお茶の魅力を見つけようという試み、その名も『茶の間』
『茶の間』は現在6か所が稼働していて
其々の異なった魅力を発信している
ダヤン達もこの『茶の間プロジェクト』を数年前にネットで知ってからというもの
2020年6月に初の『茶の間』体験で黄金に輝く絶景の【黄金の茶の間】(※標高500~550m)
2021年6月には現在は先日の台風被害で使用不能になってしまっているが【天空の茶の間】(※標高350m)
2022年5月にはお茶のペットボトルCMでも一躍有名になった【富士山の茶の間】(※標高338m)
と毎年1回、八十八夜(5月の初め)近辺で恒例行事として『茶の間』巡りをして来ていて、今年は全茶の間の半分以上にあたる4軒目の訪問となる訳だが
何故か一番標高が高い茶の間(黄金の茶の間)から徐々に高度を下げていくような形で年1回『茶の間』選出をしてきていたのに、2023年の今年は標高に関係なく?【海と富士の茶の間】へ行こうと言う事になった
しかも、【海と富士の茶の間】はその名の通り『富士山』が見える茶の間なので、恒例の八十八夜近辺では無く、晴れが多く空気が澄んでいて冠雪した富士山の姿が期待できるであろう『2月』を選んで予約してみたのだ
(因みに昨年訪問した富士山に最も近い【富士の茶の間】では、富士山は玉砕でしたw)
(;´・ω・)
今回これが吉と出るか凶とでるかは後にお伝えするとして
【海と富士の茶の間】を選んだのには他にも訳がある
実は、2022年の【富士山の茶の間】の時、ダヤンたちの給仕をしてくださったのが【海と富士の茶の間】の茶園『富士山まる茂茶園』の奥様だったと言う事
いきなり標高550mの茶園から巡る事になってしまったが、実は『茶の間テラス』の生みの親が『富士山まる茂茶園』の茶師本多さんだったという事
今年の茶の間巡りは遅ればせながら『茶の間』の原点・『茶の間』の総本山【海と富士の茶の間】をご紹介します🐈
『茶の間』に予約
どの『茶の間』をチョイスするのにも、まずHPの予約から全て始まります
過ごしやすい気温となり野外活動が活発化してくる5月以降は申込者も増えて来るので、まだ外気が寒いこの時期の『茶の間』が実は狙い目!
『茶の間』はプライベート時間貸し切りエリアの為 いつもダヤンたちが行っている様な、気候がいい5月近辺は申し込み争奪戦になり
今週末天気良さそうだから行ってみようかな~なんて思っても、何週間も先の予約で無ければ空いてなかったり
気温が上がると空気が霞んで来て、せっかくの景観が見え難くなったり…と、案外期待を裏切る様なストレス要素があるのだ
今年は富士山の降雪が年明けから少なく、2月に入って積雪する機会が何回かあったのでちょっと期待しながら初めての『2月茶の間』申し込みをしました
『茶の間』申し込みはこちらから、利用したい『茶の間』を選択後、カレンダーで日にち・時間を選択し予約します(料金は現地払いです)⇓
『受付』の『富士山まる茂茶園』を目指す
予約当日!
1週間前天気予報は雨推移でしたが当日は雲りに代わっていました…朝の富士山は裾野の方がすこ~しだけ見えている状態でしたが、予約時間近辺には雲の中😒ありゃ…
それでも、今回の【海と富士の茶の間】は『富士山』だけではなく『海』が遠望できる高台にあるので、景観に関してはそちらを期待して出発します
いづれの『茶の間』もそうなのですが、直に『テラス』へは向かわず担当する茶園に一度寄って受付を済ませます
【富士山まる茂茶園(フジサン マルモ チャエン)】
静岡県富士市富士岡1765
電話:080-7016-1201
【富士山まる茂茶園】へは県道22号線(三島富士線・通称|根方街道)を使用
根方街道は愛鷹山の南裾を通る古道で、東海道の裏道として走っています
非常に狭く、交通量もそこそこ多いので気を付けて通行
『富士岡信号交差点』を左折し、270mほど北上すると案内標識が見えますので
標識に従って川(赤淵川)を渡り標識に従って進んでいくと、右手に【富士山まる茂茶園】があります
ここで『茶の間』に必要な荷物を受け取り、トイレなどを済ませ(※現地にはトイレはありません)茶園のかたの車の後ろに並走して『テラス』を目指します
今回も【笹場】でもお世話になった奥様が同行して下さいました
自分の車でテラスへ出発!
【茶園】からそう遠くない場所(歩いてはちょっと大変ですが💦)に【富士山と海の茶の間】はあります
初回と2回目のテラスは高所&山奥だった為結構大変な思いをしての到着でしたが、その点【笹場】と【富士山と海の茶の間】は楽ですし、車もテラスから見える位置に停める事ができて
楽々だぁ~♪(=゚ω゚)ノ
以前にも他の『茶の間』記事で書いたと思いますが、人家から離れた場所にある『茶の間』は、テラス利用申し込みをせずに勝手に入って来てしまう人がいたり、酷いときは荒らされる事もあるそうなので、今回も場所の詳細は割愛致します
【海と富士の茶の間】
【富士山まる茂茶園】のオーナーでもある茶師の本多茂兵衛氏は5代目を襲名しており、本多の宗家は江戸時代から始まり戦前・戦後を経て今に繋がっている
静岡県100銘茶協議会会長、ささば景観保存会顧問や茶事変プロジェクトティーサービス総監修人他多くの立場を持つ本多氏だが、お茶にかける情熱と探究心は半端なく
既存のお茶に留まらず、発酵茶と地元橙で作ったお茶シロップ
富士山麓の7人の茶農家が力を合わせベンチャー企業と開発した、保存料・増粘剤なしの茶葉タブレット『今日のご予定Tea たまちゃ』では、スカーレットサマーとして茶葉にバラの花・ラベンダー・ジンジャーを合組(ブレンド)した面白いお茶などを提案
歴史を代々守り襲名していく家業の方の、先人が築いた技術や知恵を受け継ぎながら時代にマッチし尚且つ新たな活動を取り入れていく発想の転換には驚かされまた面白く感じます
【海と富士山の茶の間】は、北側には晴れて空気が澄んでいる時には茶畑の畝から霊峰富士が顔を覗かせ、南は沼津や箱根南陵まで見渡せる遠望の海
茶師の本多氏が『富士山を仰いで仕事をするイメージよりも、海の方を向いて仕事をするイメージがある』と仰っているそうなのですが、それは風水で言われる『背山臨水』の地形を【海と富士山の茶の間】はとっているからなのかな~と思う
山龍=大地の気は山頂から流れ背中を押してくれる追い風となる様、背後から受けるのが良いと言われていて、背中を山に守られ 人が活きるのに欠かせない水と開けた土地がある立地が吉相地と言われるそうで
…まさに、ここそうじゃねっ?
(; ・`д・´)
『茶の間』は景観が良い場所でお茶頂くだけではなく、その土地その土地で哲学を持って茶葉を栽培する茶農家の方のお話しを伺いながら、その土地で栽培されているお茶を最良の煎れ方で煎れて頂き、その後はテラスで持ち込んだお菓子やお弁当を広げるも良し
寝っ転がって景観を眺めるも良しで思い思いに時間まで過ごす
(自然の中で靴を脱いで寛ぐという行為は思っている以上に開放感がありますw)
そんな過ごし方ができる場所になっています
今回はお天気に恵まれず…(雨が降らなかっただけでも良しとしましょう!)富士山を『茶の間』から見ることはできなかったのですが、晴れた日はこのように富士山が見えるそうです
【海と富士山の茶の間】は静岡の『茶の間』の始であり、『やぶきた』『さきみどり』など10種類ほどもある色々な茶の木を栽培している試験区画的な場所に、お茶摘み体験などの休憩所目的で青森のアーティストの方と一緒に建てた東屋
地元の富士ヒノキを使用し、『茶の間』の中で唯一『ひさし』がついているスタイルのテラスになっています
季節や他の『茶の間』への訪問履歴により提供されるお茶を変えて出されているそうで、ダヤンたちは奥様から色々なお話を伺いながら『ごらいこう』というお茶を中心に、『大寒茶』『丸火ほうじ茶』『赤烏龍茶』を頂きました
今回のお茶とお茶請け
『大寒茶』は効き慣れない言葉だと思いますが、ダヤン達も『茶の間』に先立って【富士山まる茂茶園】と地元珈琲専門店【STERNE】との、色々なお水を用いて日本茶やコーヒーを煎れるとどんな変化があるのかという『ミズシラズ』と題打った一風変わった試みに参加させて頂く機会があって、そこで初めて頂いたものでした
お茶として楽しむのではなく、水を変える道具?として使う『大寒茶』
一見、ちょっとくすんだローリエの葉の様に見える1枚の茶葉は、黒茶製法で作られたものでよく知られる『お茶』のように水ははっきりとした緑や茶色には染まりません
ほんのりと色が付いたか付かないか分からない程度の『大寒茶』は…甘い!
甘いと言っても砂糖とかハチミツのような甘さでは無く、す~っと感じる仄かに心地よく感じる柔らかい甘みで…なんでこんな葉っぱ一枚で只のお水が変わるのか不思議で、お茶が~とか珈琲が~とかいう以前に参加者の間で大盛り上がりに盛り上がった不思議な『茶葉』
『茶の間』でまた頂けるとは思っていなかったので、ダンニャもダヤンもテンション上がります♪
次に頂いたのが『ごらいこう』という富士山の新7合目御来光山荘で使用しているお茶で、富士山の麓で無農薬栽培したお茶をおもてなしに使用しており、その歴史は100年に及ぶと言います
富士山の火山灰土と濃い霧で育った『ごらいこう』は、1煎目は低温で甘みや旨味を感じるお茶
2煎目は少しお湯の温度あげ煎れます
色が濃く渋みが出て1煎目とは全く違うお茶のように感じて驚きます
ポットから急須へ、器へ注ぐたびに温度が下がり其々のお茶にとってちょうどいい温度になり
本来の『お茶の旨味』を感じるのですが、家でお茶を飲むときにはついつい茶葉を多く使用してしまったり、熱湯をそのまま注いでしまったり…こうやってちゃんとした手順で煎れて頂くと
うちで適当に煎れたものや市販のペットボトルのお茶では感じられない香りや旨味を感じることができ、お家でもちゃんと煎れてみようと反省してみたりします(笑)
今日のお茶請けは、地元では有名なお菓子田子の月の『富士山頂』を頂きました
富士山の形を模したスポンジ生地の中には朝霧牛乳を使用したカスタードクリームが入っていて、冠雪をイメージしたホワイトチョコがかかっていて、頂上にあたる部分にはコーヒー味のチョコビーンズが乗っています
チョコビーンズは富士山頂上にあった測候所を表していて、地元銘菓として名が知られた洋菓子
お菓子は洋風なのですが、これに合うのは『丸火ほうじ茶』というカフェインが少ない棒茶部分を特に選出し、3日間かけて低温で焙煎したお茶で紅茶のような焙煎香と癖のない飲み口です
奥様のおもてなしを受け、知らなかったお茶の話や茶園の歴史に耳を傾け
普段見られないような特別な景色の中でゆっくりと上質のお茶を頂く…最高の贅沢だと思います
『海に向かって佇む茶の間』(※奥様が撮ってくださいました✨)思い出の1枚になりました
さて、茶の間のレポはこれで終わりなのですが
実は今、blogを執筆しながら以前購入した『スカーレットサマー』を飲んでいます
茶葉の量を測ったりする手間も無く『ポン!』とタブレットを茶漉し器に入れるだけでお茶が頂けるのでとっても便利♪
粉末茶では無く、また固形化する為の添加物は一切使っておらず製品化するのに大変な苦労があったようですが、湯を注ぐとタブレットが徐々に膨らんできて花びらや合組されたハーブもぷくぷくと浮いて来てみていても楽しい☺
しかもこの『スカーレットサマー』
緑茶ベースなんですが、ポプリのような花の薫り、ほんのりと喉元に残るジンジャーのすっきりとした飲み心地で、花粉で参った鼻周辺や喉周辺がすっきりとして心地いいのです
グローバルなデザインで固定観念にとらわれない、お茶のあたらしい形
【茶の間】に予約していくの敷居が高いわぁって方は、この合組が楽しめるタブレットから始めても良いかと思います
日本茶への新たな認識が広がるかも♪
文中でご紹介した『大寒茶』や『今日のご予Tea(たまちゃ)』は茶店や通販でも購入ができます
【富士山まる茂茶園】HPはこちら⇐
ヾ(=゚・゚=)ノニャン♪
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