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【蕎麦 どあひ】
富士宮市の北部に位置する粟倉(アワクラ)地区
地図で見ると、ひょろっとした『か細い脚が生えたさつま芋の様な形』(?)をしているのだが、富士山の富士宮口五合目へ向かう富士山スカイラインも『粟倉』が、もっと言っちゃうと富士山の山体面積の7分の1くらいも『粟倉』が占めている
(; ・`д・´)
もはや、粟倉=富士山(※注意※富士山=粟倉では無い)と言っても過言では無いのだが、そんな富士山の裾部分を走る県道72号線から外れ、野生動物との出会いが高確率でありそうな 鬱蒼とした杉林の中へ突入して行った粟倉の秘境に、今回ご紹介するお蕎麦屋さんがあります
店名を【どあひ】と言い、今テレビ番組でもやっているような『山の中にポツンと一軒家』を『じ』で行くような外観の、手作り山小屋風の店舗
店名の由来はこの辺りの住所の『字(アザ)』の『度合(どあひ)』からとったのだとか
このお店の存在は、真面目に(?)食べログレビュアーをしていた2011年頃
『お蕎麦』と『うなぎ』を専門に 整ったレビューをするマイレビュアー様が教えて下さり認知していたのですが、お店まで『あと450m』という場所の『180度カーブ』から先へ行く勇気が無かった
気にはなっていたが(気にはなって、9年も経ってしまっていた!👀)なかなか訪問する事が叶いませんでした💦
今回は、スギ花粉アレルギー持ちのダヤンが あろうことかこの杉林の奥地にある【どあひ】へ9年越しのチャレンジをして、希少な在来種蕎麦を堪能して来た話を記事にしようと思います🐈
アクセスと場所
県道72号線(国道469号線の延長)の、富士宮市と富士市の市境付近に市道へ降りる道がある
この降り場所は、以前ご紹介した【繭玉茶寮】と共通の順路になっていて、【繭玉】の記事では富士宮方面から行って左折れの道をご紹介していますが、反対側(富士方面から)にも降り口があり、そのどちらから行っても県道下のトンネルで合流しています
県道を降りて、突き当りを左へ登って行くと【繭玉茶寮】
右へ下って行くと【どあひ】という位置関係
まあ…どちらにしても不安になる位何も無い杉林の中を進む…と言う点では同じなんですが💦
なんか、今年は現時点での花粉アレルギー症状があまり酷く無いのでついつい自分が『スギ花粉症』ってことを忘れてしまっていたんですが、この鬱蒼とした杉林を見て…ちょっと後悔
( ノД`)シクシク…
しかし後悔するのもつかの間
難所であるお店まで『あと450m』という場所の『180度カーブ』にさしかかります
450mの難所
軽自動車でそこそこ運転に自信が在る方ならその場の切り返しでもいけるんだけど、そこから50m先にUターンできる場所があるらしいので、一回行き過ぎてから方向転換してこの『450m』に挑戦することをお勧め!
右の路肩にガードが無く道幅が狭いのでちょっと怖い感じがするんですが、本当に怖いのはこの道で『対向車』に逢う事!
十中八九【どあひ】帰りのお客さんなんだろうけどね(笑)
って念じながら行ったんですけど、合っちゃいました(笑)
しかも、真っ赤なベンツ‼👀
(; ・`д・´)ヨリニヨッテ
落ち葉に隠れて側溝でもあったら目も当てられないので、怖々バックするダヤン💧
その横を、慣れた感じでぶ~んと走り抜けて行くベンツ(笑)
側溝は無かったんですが、天候によってはタイヤが泥に嵌って抜け出せなくなる方もいらっしゃる様なので注意です!
考えたら…
対向車が来るって事は、既に【どあひ】を利用して帰るって事(謎の確信)だから…早めに来れば大丈夫…なのか?
(。´・ω・)?ソウナノ
あ、ダメだ
帰りに遭遇するって事もありますね💦
まあ、とにかく『注意』…と『運』です(笑)
駐車場と外観
杉林を抜けると、一瞬ぱ~っと視界が開ける場所に出ます
そこだけぽっかりと開拓してあって、その先はまた杉林が続いています
こんな時期だし余り利用者は居ないだろうと高を括っていましたが、意外にも車が多い💦(失礼)
特に整備されて白線が引いて在ったりしている駐車場ではないのですが、道の両側併せて10台くらい停められそうです
店舗は、ごつごつした石でできたアプローチの先…山小屋風の平屋の建物です
富士山を思わせるような色の長い暖簾が良い感じです♪
足元の敷石が少し不安定なので気を付けて下さい
因みにトイレは外付けのようです
店内
停まっていた台数の割に、入り口付近にある席待ちのベンチ(喫煙所?)には誰も居らっしゃらなかったので勢いよく外扉を開けると…!
目の前に、席が空くのを待って立っている1組のカップル💧
勢いよく店に入ってしまった手前、外に出てしまう事もできずちょっと気まずい感じで一緒に入り口で佇みます…
カップルの方が席に通されて、1人入り口付近に取り残されたダヤン
まだ席は空きそうもなかったので、店内を観察します
店内
店内の床(?)は、玉砂利と敷石でできています!👀
(; ・`д・´)床板が…無い?
入り口脇には、薪ストーブが焚かれそれで暖をとっています
使途不明なロフトに続く木製の急こう配の階段が店中央に位置し、その周りに文庫本などの書籍が置いて在ります
突き当り奥がオープンキッチンの厨房
席は、4人~6人掛けテーブルが3卓
入り口の横には、二人用かな~?
ちょっと小さ目の座卓が置いて在る小上がり席が1卓あります
店内は非常にこじんまりとしていますが、窓から見える景色が素敵ですね✨
BGMはその日の天気の音
風の音だったり、雨の音だったり、鳥のさえずりだったり…ダヤンの写真を撮る音だったりっ!👀ヤバッ
スマホの『カシャッ!』っていうシャッター音さえ気になるような静かな店内
今日は最小限の撮影にしよう…
ご夫婦は求道者
【どあひ】は御歳を召したご夫婦お2人で営まれています
ご主人は少し耳が遠く、そこを奥様が上手にフォローしていらっしゃるのが微笑ましいです
厨房奥でカラカラと氷水で茹で上がったお蕎麦を洗い、食器の上げ下げをするご主人
オーダー通し・管理その他の細々とした接客をする奥様
こうやって、ずっとお2人でお蕎麦を提供し続けていらっしゃるのでしょうね
厨房から聞こえてくるお2人の会話を聴きながら暫しお蕎麦が出て来るのを待ちましょう
メニュー
以前は山菜や小さな自家農園で獲れた野菜を中心とした『天婦羅』もあったそうですが、今は
もり・ざる・かけのお蕎麦と、そばがき・蕎麦豆腐・おしるこ
それと、珈琲のみ
生蕎麦・そば粉・あげそば(スナック)が持ち帰りできます
天婦羅や一品料理・お酒が無いのは少し残念ですが、その分提供にはそれ程時間がかかりませんし、ご夫婦お2人でお店を回す事を考えたら潔い選択だと思います
良く見かける入り口にある『蕎麦打ち小屋』は店内にはありませんでしたが、そば粉は自家製粉石臼粗びきなのだそうです
オーダー
お蕎麦の量が判らなかったので、1枚だけ頂いてみる事にしました
十割は気になるのですが…
『限定メニュー』『貴重品』と書かれた在来種の玄蕎麦も気になります
芝平(シビラ)在来もり
芝平(シビラ)とは、地区名
在来とは、その地区で独自に守られてきた蕎麦の事を指します
信州高遠の奥芝平地区では全村離村し、畑だけの状態になっており通農して作っておられる玄蕎麦を使った限定メニュー
提供されたお蕎麦は、細かい星が見て取れる少し太めのお蕎麦
丸みを帯びながらも、エッジを保っています
長さは不揃いで、短いお蕎麦もあり繋がりはそれ程でもないのですが
氷水で〆られ、水切りも完璧なお蕎麦は穀物の風味が非常にあり、モチモチとした美味しいお蕎麦です
薬味は、ネギと肌理が細かくおろされた辛味大根、塩気の入ったおろし山葵
香の物は、白菜としその実の浅漬け
まずはひと口、お蕎麦をかみしめる様に頂いてから、次に山葵をのせて汁をつけずに頂いてみます
この山葵、少しお塩を入れているのでしょうか?
ホンノリとした塩分があって、お蕎麦の甘みが引き立って美味しいですね!
…って、危ない(笑)
汁を付けずに食べ進めるところでした(笑)
辛汁は甘さがあるものの、この辺りの蕎麦汁にしては甘さが控えめで濃いめ
抹茶茶器のような器に少し入った状態で提供されます
文献をみると、かえしには御殿場の天野醤油、三河味醂、砂糖などで作られ、だしには鰹節・こんぶと…しいたけ
これを3~4日寝かせて使用とあります
なるほど
最初つゆを付けて食べた後、後から余り他では感じないような独特の香りと旨味がもう一度追いかけて来たのは『しいたけ』のうま味…なのかしら
(。´・ω・)?
白濁の蕎麦湯で頂く頃にはすっかり感覚が慣れて2波を感じなくなってしまったけれど、美味しいお蕎麦と蕎麦汁でした
蕎麦豆腐
お蕎麦と同時オーダーで頼んだのはこの蕎麦豆腐
蕎麦と同じく…それ以上に粒々感があり木の実の様な風味も感じ、ねっとりしています
これも山葵と汁が非常に合いますね✨
こんなに小さいのに、お蕎麦をもう一枚頂いている様な満足感があり
これも旨い!
おしるこ
これは、最初は頂くつもりが無かったのですが、後ろの席の方が頼まれたので…便乗して追加オーダー(笑)
塩味は余り無く、優しい甘さの粒あんのおしるこ
白玉とそば粉を混ぜたようなモッチリした丸い『へそもち』形状のものが3個入っています
…って書いてみて気になって調べたら『へそもち』って、駿河地方の食べ物だったんですね!
(・_・;)知らなかった…
『おしるこ』オーダーすると、ちょっとやそっとでは食べられないくらいにグラグラに沸騰させたような熱さのおしるこが提供される事があるのですが、こちらの『おしるこ』は丁度いい優しい熱さで美味しかったです
箸休めに添えられた『しその実漬け』も良いアクセントでした
全体的に、とっても満足✨
まだちゃんとお蕎麦を食べ慣れて居ない時に、富士の名店『蕎麦切り こばやし』(※2016年閉店)でお蕎麦を食べて感銘を受けてまたいつか『こばやし』の様なお蕎麦を食べてみたいと思っていたのが、叶った感じがします
その『こばやし』の店主が感銘を受けた蕎麦屋さんが、山梨の『翁』というお店なのだそうで…いつか行って見るのが現在の夢です
ヾ(=゚・゚=)ノニャン♪
お店のデーター
【蕎麦 どあひ】
静岡県富士宮市粟倉2735-58
電話:0544-23-5023
営業時間)11:00~15:00
(※蕎麦が無くなり次第終了)
定休日)火・水・木曜日
※道路事情が悪いので利用の際には充分ご注意下さい
Dayan 様
秘境のお蕎麦を満喫されたのですね。
読み進めるうちに記憶が蘇ってきました。
御夫婦がお元気に、今もそば打ちをされている
ことが、純粋に喜ばしいです。
山梨の翁も美味しいですが、こばやしの店主が
2001年以前の翁(高橋名人のお店)で感銘を受けた
のならば、2001年以降はお弟子さんに任せたので、
チョット劣化しているかも知れません。蛇足ですが・・
いずれにしても・・八ヶ岳は美味しいお蕎麦が沢山
ありますので、機会があれば翁からのハシゴとか(笑)
>marさま
いつもコメント、ありがとうございます
(((o(*゚▽゚*)o)))
こばやしも店主の体力が…と言うことで閉店されましたよね
【どあひ】も継がれる予定が無ければ、あのご夫婦で終わりかも…と思うと、とても残念な気が致します
八ヶ岳は…それこそ、名店がありすぎて危険ですわ(笑)
【翁】の情報有難うございます!
そうなんですね
代が変わって味が更に良くなったというパターンは余り聴きませんね
やはりそれだけ、お店をやってこられた先代の力量が計り知れないということなのでしょうね
私は『元』を知らないので、もし行ける機会があったら、頭の隅に頂いた情報を携えて行きたいと思っています
Dayanさま
連投失礼します。
蛇足ですが・・「翁」の高橋名人は、現在達磨グループを率いて、
全国に弟子を持つ一代蕎麦勢力の総帥です。長坂「翁」を去って、
広島に渡り、現在は大分で会員制蕎麦屋を週末営みながら、全国の
蕎麦行脚を行っているらしいです。ラーメン界の大勝軒みたいですね(笑)
因みに、静岡にも弟子のお店があります。
https://okina-daruma.com/about
>marさま
( *˙0˙*)!おお
これはっ!
素晴らし過ぎます
静岡の関連店舗、時間を見つけて伺ってみます