目次
人気キャンプ地『ふもとっぱら』の近くで5頭の放牧牛を1人で飼養・搾乳・製造している柳さんにお逢いして来ました
旧年中は大変お世話になりました
2024年も宜しくお願い致します!
...............
昨年の11月、富士宮の人気チーズ製造販売工房【七富チーズ工房】の高木氏から気になる情報を頂きました
『グラスフェッド(grass-fed)』とは簡単に言うと牧草飼育の事で、牧草地に放牧され牧草や干し草などを自由に食べ歩く牛の飼養形態を指します
国道139号線を山梨方面に向かう途中の朝霧地区でも富士山をバックに多くの牛達が牧草を食む姿が見られますが、国土が狭い日本に於いては『グラスフェッド』は現在まだ少ない飼育法になっています
高木氏からお話しを伺う以前に『グラスフェッド』の乳製品では『バター』を食した事があり、『グラスフェッドヨーグルト』に関しても
な~んて勝手に想像していました
衝撃の『グラスフェッドヨーグルト』!
入手方法を調べてみたら『予約制通販』と書かれていて、ちょっとめんどいな…とモノグサなダヤンは思ってしまっていたのですが、『道の駅 朝霧高原』でも取り扱いがあると知りある日行ってみる事に
乳製品のオープン冷蔵ショーケースの一画に鎮座しておりました
購入後、早速外のテラス席で実食!
富士山の麓に遊ぶ可愛らしい牛のイラストが印刷されたシールの側面を見ると、生産者に『女性』の名前が記載されていました
原材料は生乳のみ(※菌はビフィズス菌入り乳酸菌由来)・プレーン
内容量110gで賞味期限は製造日から15日と思っていたのより長め
単価210円
ひと通り確認して上蓋をはがすと…
市販されている牛乳の多くは『ホモジナイズド(※機械により脂肪球を潰して均一化しする工程)』してあるので脂肪分の分離は無いのだが、ホモジナイズドされていない牛乳(※ノンホモ)で製造された乳製品は本来このように脂肪分が分離し上層部にクリームチーズのような薄い脂肪膜が生成される
富士宮市の生産者で言うと【まかいの牧場】の牛乳はノンホモなので、ヨーグルトもやはりこのように膜が生成されていたので、『ノンホモ』と判ってしまえば不思議な事でもなんでもないのだが
ダヤンが驚いたのは、その白さと脂肪膜の下の層のテクスチャーだ!
『白さ』については『グラスフェッド』の事をもっとよく知っていれば納得ができた事だった
『グラスフェッド』=『黄色みかかった乳』
と思い込んでいたのだが、青草の時期には黄色味がかり、夏草の時期が終わり乾燥草を主食にしている『グラスフェッドの牛乳』は牧草からのカロテン摂取が少なくなくなるので、白くなる
反対に春先になり牧草がメインになって来る(4月~)と、ほんの1~2週間で黄色みかかった色の乳になるらしい
(※因みに『グラスフェッド』の定義は年間240日以上の放牧日数とグラスが飼料の95%以上となっているので、短時間屋外で放し飼いにしたり牧草を食んでいたとしてもグラスフェッドとは呼べない)
『グラスフェッド』は自然の中で暮らす牛達から『牛乳』という恵みを人間が頂くシステムなので、判を押したような製品では無く季節ごとで成分や色味が違う自然の製品になるのだ
真っ白でコクのあるヨーグルトを食べたかったら冬がお勧め
で
『真っ白』なのはさておいて、この下層のしっかりとしたテクスチャーはなんだっ!?
ダヤンが知っている『ノンホモ』ヨーグルトは上層部に脂肪部が取られてしまう為か比較的、下層部はゆるくとろとろしていた
なのに【ふもとのジャージー牧場】の下層部のヨーグルㇳは『質のいい絹ごし豆腐ほどのしっかりとしたテクスチャー』があり、酸味も程よくコクがあって癖が無く旨い!
旨すぎるっ!
グラスフェッドヨーグルト1個で【ふもとのジャージー牧場】に恋をしてしまったダヤンは、居ても立っても居られず取材を申し込んで12月半ば過ぎ、生産者の柳さんにお逢いしお話しを伺う事が出来ました
生産者『柳さん』へのインタビュー
曲がり角の案内看板も無く街灯も無く、舗装が所々崩れた農道の様な細い道を進み、水嵩が増したら渡れなくなる様な橋を渡り
森を切り崩し開拓した様な奥地へ進んで行くと目の前が拓け、電気柵が張り巡らされた小さな牧草地に出ました
そこには他では見た事もない綺麗な毛並みの、耳なんかもこもこして黒目がクリッとした可愛らしい『ジャージー種』が2頭仲良く下草を食んでいました
ダヤンとダンニャ(この日はダンニャも取材応援)が車から降りて近づくと
(なんだ?なんだ?)とばかりに寄ってきます
除角(※生産者の安全・牛同士の争い時のケガを防ぐ目的で行われる、牛の角を切る作業)が行われていない為、この子達には立派な角が生えていました
牛について
牛は全部で現在5頭
その内搾乳できるのは現在2頭のみで、親子もいます
お乳を子牛が飲んでしまう為、サックをしたりもしますが…やはり飲んでしまう(笑)
飲んでしまう分には仕方がないので、採れる分搾乳して製品にしています
この子達は神奈川の牧場から来た子達で、『みすず』『ひな』など1頭1頭女の子の名前がついて、自分で毛づくろいしたり舐めあって綺麗にしているだけで特にブラッシングはしていないのに綺麗になっています
放牧されたジャージーの動画はこちらからご覧になれます☟
*ダヤンテールのYouTubeチャンネル【富士宮市|ふもとのジャージー牧場】*
ダヤンもダンニャも、牛がお互いを毛繕いする習性があるなんて知りませんでした
飼養種をジャージー種にしたのは、『グラスフェッド』は運動量が多く牧草飼育なので脂肪分が少なくなりがち
(ある意味で、牛が健康体という事で良い事なのですが…)
ホルスタインでは成分に不安があるからという事と、身体が大きいので(…と言っても、ジャージーも大きいですw)何かあった時に1人で動かせないなというのと、やはり大きさゆえの怖さもあります
飼養について
(ケットラで給水タンクに水を入れ牧場まで運んで来ました)
牧草地は現在約2ha
牛舎は無く、牛達は荒天時や暑い日は林の中で寝泊まりをし、乳が張って来ると自ら搾乳小屋(簡易テント)に来てくれるので
やる事は給水・冬期の干し草などの給餌・健康管理・牧草地管理と搾乳、製造になります
なぜ酪農を?
学生時代には東京・神奈川に居住し、2019年まではシステム系コンサルの丸の内のOLでした(驚)👀!
元々山が好きで休日には山で過ごす事が多く、山を活かした仕事がしたいという思いに駆られたのと父が昔 林間放牧に少し関わっていたこともあり、財をうって酪農の道へ行動を移したんです
(凄い決断と行動力…)
なぜ『グラスフェッド』を?
酪農に興味を持ち酪農の本場北海道へ短期バイトなどにも行きましたが、多くの日本の酪農がそうであるように『狭い場所で牛を介護しているイメージ』がどうしてもあり、自分が思い描いている酪農とは違うな…と
その後岩手の『中洞牧場』で研修などをしてノウハウを磨き、人々の交流を考え山梨県なども候補地に考えていたのですが、朝霧高原で耕作放棄地を借りる事ができ 今に至っています
ヨーグルトの製造に関して
(少し離れた新築の小さな製造場へ移動)
条件の制約で新規就農補助金が受けられず、会社員時代の貯蓄を自己投資で運営していて他に副業はしていません
(まじかっ!市役所ー!なんとかしてやって下さいよ!)👀💦
先程お話しした通り搾乳できる乳牛は現在2頭のみで、子牛に飲まれてしまっている分もあるので乳量は多くはありません(ので、牛乳は本数ができず工場投資の事を考えると無理)
ヨーグルト製造は元々自分がヨーグルトが好きだった事と、バターやチーズの様に副産物を出さずに全量製品にできると言う点から現在はヨーグルとのみを製造しています
発酵時間や牛乳の殺菌時間など色々試してみましたが
タンパク質の変性を防ぎ牛乳本来の美味しさが出るように低温殺菌(78℃以上)20分で殺菌工程をした後、簡易機械で全て手作りでヨーグルト製造をしています
現在の販売ツール
▪通信販売(予約販売)HP|https://fumoto-jersey.com/
▪通信販売|オーガニックモールたべるとくらすと
▪道の駅朝霧高原チルドコーナー(※注意※1月9日~2月2日まで改修工事の為休館)
▪柚野商店
▪東京羽田 産直館
▪富岳温泉花の湯(年末から納品開始)
柳さんから
上層にクリーム層ができるノンホモ牛乳ヨーグルトですが、輸送の関係上上層と下層が混ざってしまう事がある事ご承知下さい(※柳さんが直納している販売店では比較的混ざっていない)
2023年7月から始まった富士宮初のグラスフェッドヨーグルト【ふもとのジャージー牧場】は小さな牧場で1人で6次産業を営んでいる為、量産できませんが
身体にいい乳製品をお届けしていきますので、まずは手に取ってみてください
事業にゆとりが出てきたらジェラート製造や牧場見学も実施できたら…と考えております
顔合わせ時に購入させて頂いたヨーグルトは賞味期限12月29日でしたので、少し時間を置きながら頂きましたが最終日の29日でも水分が出たり酸味が過剰に増したりすること無く、プレーンで楽しむことができました
春先になったらちょっと変化した【ふもとのジャージー牧場】の『グラスフェッドヨーグルト』を食べてみる事が2024年のダヤンの楽しみでもあります
ヾ(=゚・゚=)ノニャン♪
施設のデーター
【ふもとのジャージー牧場】
静岡県富士宮市麓92(※この住所では牧場に辿り着けません)
電話:非公開(InstagramのDMで問い合わせを)
直売可能、委託販売所は記事内にて案内
詳しくは公式HP【ふもとのジャージー牧場】にてチェック⇐
Instagramはこちら⇐
最近のコメント