2013年
富士山-信仰の対象と芸術の源泉として、ユネスコの世界遺産リストに『富士山』が登録されました
また、その富士山をとりまく『構成資産』として、山梨・静岡各地にある観光地や名勝も登録され、もはや『日本の富士山』としてでは無く『世界の富士山』として海外の方の注目を集め、場所によっては観光客のほとんどが外国の方…という場所も在るようです
山梨とも縁が深いダヤンは、小さい頃から山梨には良く遊びに行っていました
今回紹介する『忍野村』も良く遊びに連れて行って貰った場所のひとつでもあり、最近では10年ほど前行ったきりになっていましたが、久しぶりにここへ来て見ると…色々と変わっていて、ただ単に『楽しい観光地』では無く、少し考えさせられる事柄もありましたので、今回はそんな事も交えた記事を書いていこうと思っています(=゚ω゚)ノ
目次
忍野八海とは?
山梨県南都留郡忍野村にある湧泉群
富士山の雪解け水が地下の”溶岩” の間で、約20年の歳月をかけてろ過され湧水となって8か所の泉をつくる
国指定の天然記念物名水百選に指定
県の新富嶽百景にも選定されている
2013年には「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産の一部として世界文化遺産に登録された
その名の通り『8つの泉』①出口池 ②御釜池 ③底抜池 ④銚子池 ⑤湧池 ⑥濁池 ⑦鏡池 ⑧菖蒲池からなる
忍野八海の中心地に近い⑤湧池はその水の青さや場所の判り易さから周辺は混雑するが、泉によっては殆ど観光客も足を延ばさない離れた『八海』もある
『湧池』の透き通った水と緑に生い茂った藻の更に奥には…55mも続く水中洞窟が在るのだそう!
③の底抜池は八海の中でも特異な『個人の所有物』となっており、見学には入園料を払う施設の敷地内にある
アクセス
アクセス・駐車場などの詳しい情報は忍野村の公式サイトを参照してください⇩
入場料金
忍野八海見学は基本入場料無料です
『基本』と書きましたが、上記載の通り③の底抜池は八海の中でも『唯の個人所有地の池』となっており、現地の旅館が造成した大型の人工池と、個人所有の古民家資料館がある有料(300円)の『榛の木林資料館』に入場して見学します
八海を全て周りたい!底抜池を見て観たい!…という方はこの300円が施設料としてかかります
駐車場料金
大きな駐車場も、民間の軒先貸しをしている様な小さな周辺駐車場も一律300円となっている様です(2019.2現在)
無料の村営駐車場は平成23年に廃止されたようです
私達が停めた『ますの家駐車場』は、普通車2時間300円となっていましたが、駐車場に立っている管理者のおじいさん(?)に手渡しで300円渡しただけで駐車券は切って頂けなかったので、2時間という時間が有効かどうかが分かりませんでした
駐車場情報は詳しくはこちらをご覧ください
湧池通りと呼ばれるメイン通り
その『ますの家駐車場』から道を渡って歩いて行くと程なく、お土産物屋が軒を連ねる忍野八海のメイン通り『湧池通り』に続きます
その名の通り、その通りに沿って進んで行けば忍野八海のひとつで八海中最もにぎわいを見せる『湧池』に出る事ができます
お土産店は懐かしい…昔歩きながら頂いた、おばあちゃんが軒先で焼いている1個100円の草餡子餅や、焼きたてせんべい、団子屋さん等が昔のままに残って今でも営業しています
昔と違うのは…
商品の表記が『中国語』メインになっている所
お店によっては、日本語表記が無く『中国語』標記のみになっている所もあります
観光客の8割が外国人
今回行って一番驚いたのが、『日本語がほぼ聞こえない(日本人観光客がほぼいない)』という事でした
平日に伺ったのですが、観光バスも何台も駐車場に停まっており、凄い数の観光客でしたが その殆どの方が外国人…特にアジア系の方でした
お土産屋や食事処の表記から日本語が消えてしまっているお店があるのも…納得してしまいます
1番人気の泉は八海に含まれない人工の池
これは私は、恥ずかしい事に…何回も忍野に来ていたにも関わらず、ずっと知らない事でした
10年前に来た時には、それまでちゃんとやった事が無かった『八海巡り』をした記憶があるのに、その時にもなんの疑問も持ちませんでした(恐らく8個見つけきれなかった気がしますw)
10年前の八海巡りは、八海と思しき『湿地?』は茅に覆われ手入れていない(泉かどうかも判らない)ような泉も在った記憶がありますが、世界遺産登録後はネットの参考写真見る限り、とても綺麗に整備されているようです
因みに、私が『忍野八海』といったらここの泉だっ!と、小さい頃からず~っと思っていた泉『中池』
実は、この『中池』にはお土産物屋さんの中を通って(無料)行かないと辿り着けない
『忍野八海施設の中でも1番賑わっている中心の場所』なのですが、この池は個人所有の人工の池だと、今回ちゃんと文献や資料を見て知りました
そう知ってから改めて見ても、見ていると吸い込まれそうな綺麗なコバルトブルーの水
優雅に泳ぐ大きな淡水魚の群れ
圧巻で、美しすぎて吸い込まれそうで恐怖心さえ覚えます
(音声に他の方が『怖いっ!』と言っているのが、録音されていますねw)
人工の池は、先に挙げた有料の施設内にある2つの池のうちの1つも人工の池で『アピール度』はありますが、こちらも『八海』とは関係ありません
人工池の弊害としては、他の池より湧水を汲み上げるなどの要因もあり、もともとの池の湧水量が激減する等他の池への保全への影響も心配されるなどの問題もあると聴きます
また、池の底にはキラキラ光るもの…コインが投げ入れられていて、有害物質による水質への影響も懸念されています
お金の投げ入れには、罰金1000円を課せられます
ダイバーがボランティアで身を切る様な冷たい湧水池に潜ってコインを回収もするそうですが、とても間に合わず…回収された大量のコインは日本の硬貨・中国・香港・マレーシア硬貨など
日本の観光地でありながら、多くの飛び交う言葉は外国語
販売店の表記もターゲットは外国の方向け
地元の方にしてみたら、日本人が観光地で使うお金より、ずっと『外国の方』のほうが多いのだろうから…痛し痒しの所もあるのかも知れませんね
名泉そば製麺所の変化
綺麗な湧水、高地を活かした蕎麦の栽培
忍野には沢山の蕎麦の製麺所が点在しています
その中でも、忍野へ来るたびに寄っていたお蕎麦屋さんにもある変化がありました…
帰りにお蕎麦屋さんに寄って楽しみにしていたのは…
名物ともいえる『大量の試食』!
どういうことかと言うと…
店内には大きなL字型のカウンターがあり、お蕎麦を買いに入ったお店で、空いた席に座るように促され、座ると自動的にざる蕎麦やざるうどんが盛りっ!と盛られて目の前に提供される…これが試食なのですw
なにも知らずにお店に入った時には、ビックリしましたねぇ(笑)
席の空きを待つ人、お蕎麦を啜る人、その後にお蕎麦を購入する人…
狭い店内は多くの観光客(日本人)で賑わっていたものです
で、今回も『試食がガッツリ頂ける様に』お腹を減らして名泉そば製麺所に参りました
しかし…
お店は開店はしているようですが…全然人がおらず、お店の方も暇そうにしてらっしゃいます
(…やってる???)
とりあえず、入店しても特にナンの言葉も無かったので、お目当てのお蕎麦の箱を決めて購入しようと、主人が
『以前ここに来た時には、試食をたくさん頂いたんだけど、もうそのサービスはやっていないの?』
と訊くと
『外人の観光客が増えて、(試食システムは)問題がでて行政の方から駄目だと指示がが出てるのよ…』
もともとそれ程『愛想の良い』とはお世辞にも言えない方(失礼)でしたが、その無気力な答え方、無気力なお店の開け方や状態が、名泉製麺所さんの『途方に暮れている状態』が伝わってきて何ともやるせなく感じました
『今は、お蕎麦を1つ購入してくれたらサービスとして1枚蕎麦を出してます』
と2人で1枚のざるそばを頂きましたが…
そこで頂いたお蕎麦より、購入して家で茹で上げて、蕎麦と一緒に購入した名泉自家製の山梨名物の『ぬれ七味』をつゆに溶いて頂いたお蕎麦の方が美味しく感じました…
味って、食べた時の環境にもとても左右されるんですよね
;つД`)
外国人観光客が観光バスで大挙してくる
日本人でさえ理解するのが難しい『購入意思を提示する前に出される、無料の大量の試食の意味』
日本人なら(ああ…買って行ってねってことかな?これだけ無料で頂いたんだから購入しないと悪いかな?)
という思考になる所を
『ここは無料で食べ物を配給してくれる場所』と勘違いした大勢の外国人観光客と『分かりにくい試食の提供の仕方』でトラブルになったりしたのかしら…
多くを語らないお店の方だったので、推測でしかないのですがそんな事をふと思ってしまいます
まとめ
水質汚染の問題、モラルの問題、観光地の質の問題、保全の問題…
いろいろ書いて、この記事を読まれた方の中には『行かない方がいい(行って見たいと思わない)』と感じる方もいらっしゃるかも知れませんが
忍野八海は歴史的にも素晴らしく、現存するここでしか見られない神秘的な泉の美しさも確かにあり、多くの人が今よりもっと良い方向になる様に努力をしている最中で、実際に行って見るのは日本人として意味がある事だと思います
しかし、忍野のブログ記事を書く前にいろいろと調べてみると、ただ単に『忍野八海は綺麗な湧水が豊富で、霊峰富士がかやぶき屋根の向こうに見える風光明美で、富士山の恵みを感じる昔ながらの里山の観光地』だけでは無い事が今更ながらに判って、このような記事になりました
歴史ある忍野の風景をなるべく手を加えずに保全する方法
でも、そこで住んでいる方々の生活もある
増え続ける外国人観光客に対応する為のお店の在り方
店側も『外国人観光客ありき』の商売の仕方になっている
外国人が多すぎる事の影響で、日本の里山の文化の良さを一番知って欲しい日本人観光客が減る…の悪循環
外国人観光客に、日本独特の文化やモラルや常識の違いをどう説明して受け入れて貰って行くのか
とても難しい問題がたくさん在る様に感じた
今回の『忍野八海観光』でした
では、また~です
ヾ(=゚・゚=)ノニャン♪
ダヤンさん こんにちは~
忍野はパラグライダーのエリアがあったのと、友人が住んでいたので20年前くらいまでによく訪れた場所です。
あの製麺所でコシの強いうどんを食べに行くのも楽しみの内でした。
試食やってないとは残念です。
先月、写真を撮影のついでに超久々に訪れたのですが、違う場所に来たのか!?と思うくらいに変貌を遂げていてビックリしました。早朝なのに早くも中国人観光客で賑わっていて、「ちょっと!そこどいてよ」とか「ちょっと!シャッター押してよ!」的に声をかけられたり賑やかでした(私はよく中国人に間違われるんです)
あの辺りどの観光地にも中国人が一杯で、なんだかみんなとても楽しそうなのでこちらもちょっと楽しい気分になったりしました(笑)
>hi-deさま
Googleのローカルレビュアー様や、個人ブロガーさんによって、やや批判的(もしくは、ガッカリした等)な見解が多かったので、多分それが世論なんだと感じました
ただ、私はそこの住民では無いので、知りもせずあまり無責任な事も言えないという気持ちですね
hi-de様のように、国籍で差別しない事、大事だと思います(*´ 艸`)
家は祖父が若い頃満州に住んでいて現地の中国人にとても親切にしてもらったそうで「中国人には親切にしろ」がほぼ家訓なんです(笑)中国人留学生が家にいたこともあるので中国人慣れしているのもあるかも。
息子もこの前リュック背負って中国旅に行ってきて、どこでも大声で話すし並ばないので、こういうのでいいのか!とむしろ気が楽だったそうです (^^;)